Cytiva

検索のヘルプ

Location:HomeContact

ライブWebinarでお受けした質問に対する回答をご紹介します。

サンサーチップをスタンバイ状態で保存してそのあと測定する、またスタンバイ状態で保存する、また測定する、ということを繰り返す場合、そのセンサーチップはどのくらいの期間使用できますか?

大変申し訳ございませんが弊社での公式な検証データは装置外部でHBSバッファー中で2-8℃で2か月間というもののみになります。(測定前の一晩のRehydration操作は初回のみで大丈夫です。)装置内25℃などで保存し続けた場合のデータを持ち合わせていないため、もし実行される場合は個別のコントロール実験の実施をお勧めします。


直接法で検討を開始ししてうまく行かない場合にキャプチャー法に進む場合が多いのかなと思いますが、どの程度の条件検討をされた後にキャプチャー法へ皆さん進まれているのでしょうか?

実は今回のWebinarの目的は直接法からの脱却とBiotin CAPture Kitによる測定の標準化でした。長らく我々も直接法を第一選択肢としてご案内してまいりましたが、固定化量を稼げる反面、多くの条件検討が必要となり測定成功の不確定性が比較的高いという側面があります。現在においては各キャプチャーキットも揃い、装置の感度が高くなり固定化量を高くする必要性は低くなっていること、キャプチャー法を第一選択肢とするアプローチも多くのケースでお勧めできます。


AVI TAGでリガンドを作成した場合とキャプチャーキットで、リガンドをラベルした場合とで、センサー上でのドリフトに差が出ますか?

私どもでは特にそのような差異については確認しておりません。


生細胞を固定できるセンサーチップはありますか?

細胞の糖鎖を用いたアルデヒドカップリングによりCM5チップなどに直接固定化可能です。その状態で細胞が活性を持つかどうかはポジティブコントロールなどでご確認いただく必要があると思います。しかし細胞を固定化するにあたってはSPRの原理上あまり積極的にお勧めしておりません。細胞上の目的分子の密度がアナライトの結合を検出可能なほど高いとは限りませんしそれをコントロールするのも困難です。また本当に細胞膜上の目的分子に結合していることを証明することも困難です(単離した目的分子との競合阻害ができれば証明可能ですが、それであれば目的分子との相互作用を見ることを目指すことが一般的かもしれません)目的が細胞膜上のタンパク質との相互作用検証であれば、該当の膜タンパク質のみを固定化する方法をご案内可能です。詳細はお問合せください。


1 kitで何測定分の試薬が入っているのでしょうか。

キット付属のBiotin CAPture Reagent の消費量は機種により異なります。8K/8K+/T200/S200で100回程度、X100で80回程度のInjection回数に相当します。Sensor Chip CAPは、4~8℃で2か月間の保存が可能です。また、Biotin CAPture Reagentは単品販売(29423383)もございます。


キャプチャー法を実施する場合も、ビオチン化等のモディフィケーションによる影響を見るために、通常直接法も比較されるのでしょうか?

今回Webinarでご案内したビオチン化の方法については、タンパク質1分子に対して1つのビオチンが導入される方法となります。最低限のビオチン標識による結合への影響は非常に小さいと思われますので、直接法での再測定などはご不要かと思われます。


以前にDiPIAに参加したときにも、Biotin Capture kit の有用性が取り上げられていたと思います。Avitag を使ってタンパク質の特定の部分をビオチン化すればリガンドの活性低下の懸念も少なくなると思います。これで非特異的吸着がなければ、色々なアプリケーションに使用できる万能のキットのように思いますが、ノンスペ以外でこのBiotin Capture kit がワークしないケースはありますでしょうか?

仰る通り、DNAやSAに対して非特異的結合が見られることがございます。他にも通常のSAチップを用いた場合に比べ固定化量は減る傾向にありますので、十分なS/Nのデータを取得するためには、特にアナライトが低分子の場合はリガンドの活性率が高いより良質なサンプルの調製が求められる傾向になります。またセンサーチップ上に配列非公開の核酸配列が存在しますので、核酸との相互作用やDNA分解酵素の相互作用にはお勧めしておりません。


ハイブリダイゼーションのバラつきはありますか

ビオチン標識TNF-αを用いた測定において、User1とUser2がそれぞれ63cycles, 65cyclesのキャプチャーを試みましたところ、それぞれのCV%は0.23と0.51となったデータがございます。


ビオチン化率みたいなのは求められますか?

EZ-Linkを用いた場合、リガンド : Biotin 化試薬=1 : 1.5(モル濃度)で混和することを推奨しています。これは失活などの影響を防ぐため、リガンド1分子に対してなるべく1分子のBiotinが付加されるようにコントロールされたものです。ビオチン標識のモル比を比色、蛍光などで定量するキットも市販されています。


このキットを使用した場合に検討が必要な点は何があるのでしょうか?

Biotin化リガンドやアナライトの濃度、コンタクト時間、流速はサンプルに依存するため、マニュアルインジェクション等でお試しいただく必要があります。詳細はInstructionsもご確認ください。


2ヶ月以内であればセンサーチップは永続的に使用可能か?

4~8℃保存で2ヶ月以内であれば、センサーチップCAPは標準の固定化・再生プロトコルでご使用を続けていただくことが可能です。


質問です。コントロールとするFcにはどのような条件が推奨される?前日からprehydratinをする必要がある理由は?

リファレンスのFcはCAPture reagentのみを固定化し、リガンドは固定化しません(一般的にはフリーのBiotinを固定化することもしませんが、必要であれば固定化していただいても結構です)。そのほかはアクティブのFcと同様のインジェクションを行っていただきます。


Capture reagent及びセンサーチップの消費期限を教えてください

現在3カ月以上の消費期限を残した状態での出荷となります。製造時は1年の消費期限となりますので、3-12カ月の消費期限となります。


固定化量が少な目とのお話ですが、NA/SAチップを使用する場合とCapturekitを使用する場合で固定化量は違ってきますか?どちらが多く固定化できますか?

詳細な比較データなどはございませんが、原理的に同じ条件(濃度、コンタクト時間、流速)でBiotin化した場合、NA/SAチップのほうが固定化量は多くなります。Biotin CAPture kitでは150kDaのリンドの場合1500-3000RUが典型的には固定化されます。多くの場合、固定化量が少ないことが問題になることはありません。


また、測定結果が変わるようなことはありましたでしょうか?

(上のご質問の続きとしてご回答します。)レスポンスの大きさは変わりますが、適切な濃度レンジでアナライトが添加されれば、得られるアフィニティーの値はレスポンスの違いに依存しません。


ビオチンCaptureキットは何回ほど繰り返し使用できるのでしょうか。

センサーチップCAPは4~8℃で2か月間保存ができます。一番消耗するBiotin CAPture Reagentは、8K / 8K+ / T200 / S200で100回、X100で80回程度のInjectin回数分となります。また、 Biotin CAPture Reagentのみの単品販売(コード番号29423383)がございます。


Biotin化したサンプルの有効期間はどれくらいでしょうか。

サンプルそのものの特性に依存します。


シングルサイクル法などで測定時間が長くなる場合にキャプチャー後のベースラインが低下する可能性はあるでしょうか。

ビオチン-アビジンの相互作用およびセンサーチップCAP上のハイブリダイゼーションに起因するドリフトは長時間サイクルの測定目的においても通常問題になることはありません。お手元のサンプルの非特異的吸着があるときややRehydrationが不十分だった時などにドリフトが問題になる可能性があります。


HBS-EP+ Bufferも使用可能でしょうか。

HBS-EP+のほか、一般的なBufferは全てご利用可能です。


いままでGST-tag 融合タンパク質・GSTキットを利用して測定してきました。ビオチン化にかえるメリットはありますか?

GST自体が分子量の大きなTagですので、これに伴う影響を懸念される場合切り替えるメリットが出てまいります。またBiotinのアプローチはタグの種類によらず、発現調製からBiacore™測定までのワークフローを統一できることが大きなメリットの一つになります。


NA/SAとビオチンの結合が乖離されない条件でリガンドが乖離可能であれば、再生できる可能性があります。NA/SAとビオチンの結合が保持される限界条件は?

Biotin CAPture Kitを用いるならば再生条件の検討が不要という点がメリットになりますので、再生後、毎サイクルBiotin CAPture Reagentを添加してください。NA/SAチップを用いる場合は通常のプロトコールでもアナライトの再生を実施いたします。大変申し訳ございませんが、限界条件は存じ上げませんがNA/SAの結合は強固ですので大抵の再生溶液は利用可能です。NA/SAとビオチンが解離していないかどうかはアナライト添加時の再現性でご検証ください。


アナライトの疎水性が高く、共通機器での使用が躊躇われます。 対策として、アナライトの方を固定化してタンパク質を流してはどうかと考えているのですが、どのように思われますか? また、低分子のアナライトを流す場合ですが、やはりバッファーに直接溶解していないと難しいでしょうか? 例えばDMSO等で可溶化していれば大丈夫でしょうか?

Biacore™はランニング緩衝液に10%のDMSOまで用いることができます。測定ではタンパク質をリガンドとして低分子をアナライトとすることが多いため、10%ものDMSOを用いるとタンパク質側が活性を失う可能性がありますので、多くの場合で5%以下で測定されると思います。逆に言えば、5%のDMSOで溶解・単分散できる濃度の低分子であればご測定可能です。5% DMSOでの溶解性が悪く、低濃度の低分子しか測定に用いることができない場合でも解析方法でカバーすることも可能です。詳細はお問合せください。一方低分子をリガンド側にする方法については、固定化により結合部位がマスクされる可能性があることや、固定化量が見積もりにくいなどの問題からあまり推奨されません。アナライトが低分子ですともちろんBiacore™で得られるレスポンスは小さくなりますが、ご利用のシステムがBiacore™T200, S200, 8K seriesなどの高感度な装置ならば十分ご確認いただけると思います。一方Biacore™X100 plus package, T100などですと場合によってはレスポンスが見えなくなり、Biacore™X100 base system, 3000よりも古い機種になりますとレスポンスが見えないことが多いばかりか、そもそもDMSOを用いたご測定は(解析の関係上)あまり推奨されません。こちらも詳細はお問合せください。


ビオチンキャプチャーキットのX100での運転メニューは、HISTAG用チップのように既に運転ソフトの中にはいっていますか?

はい。センサーチップの種類にCAPを選択していただきWorkflowでBiotinを選択していただければ、His-Tag同様にご使用いただけます。(ソフトウエアのバージョンが少し以前のものの場合は対応できないときがあります。)


キャプチャ法において、実験日によって固定化量がばらつく懸念はございますでしょうか。

一般的な測定目的に必要とされるばらつきの小ささは製品上十分持ち合わせております。サンプルの品質や汚れなどの日間の違いで大きなばらつきが出ることはあるかもしれません。


リンカーが必要な場合はリガンド毎に推奨のものがありますでしょうか。

リガンド毎での推奨条件はございません。ご案内差し上げた日本蛋白質科学会アーカイブの事例では標的蛋白質と Avi-tag の間にリンカーを挟むことでBiotin化の効率が変わるとの記述がございます。


Biotin CAPture kitはストレプトアビジンを使われていますが、非特異吸着が起きやすいアナライト(タンパク質やペプチドなど)の知見はお持ちでしょうか?

センサーチップSAに対しての非特異的結合を起こしやすい分子の相関情報は持ち合わせておりません、一般論としてstreptavidinとneutravidin非特異的結合の傾向の配列特異性については公開されておりますのでご参考になるかもしれません。


どのようなタンパクがリガンド(サンプル)によく使われるのでしょうか。

特別よく利用されるタンパク質などはなく、ご自身の測定したいサンプルをご利用いただいてよいかと思います。


ペプチドをビオチン化してリガンドとして使用して抗体のスクリーニングは可能でしょうか?

ペプチドの物性にもよるかもしれませんが、抗体のスクリーニングでしたら多くの場合でCM5チップなどに抗抗体を直接固定化し、目的の抗体をキャプチャーしてアナライトとしてペプチドを添加された方が良いかと思います。 ペプチドをビオチン化してリガンドとして用いる場合でもご測定自体は可能と思いますが、1:1 bindingの形にならないことや、ペプチドの消費量が多くなることが予想されます。


SDSが含まれているサンプルをCM5 chip に固定化が可能でしょうか

程度にもよると思いますが、SDSがサンプルに対するキャリアとして働いてしまい、その負電荷がCM5チップの負電荷と反発してしまい、うまくプレコンセントレーション効果が得られず固定化ができないと可能性があります。可能であればSDSは除去してから固定化された方が良いと思います。


お問合せフォーム

※日本ポールの他事業部取扱い製品(例: 食品・飲料、半導体、化学/石油/ガス )はこちらより各事業部へお問い合わせください。