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ライブWebinarでお受けした質問に対する回答をご紹介します。

ここでいう、低分子の分子量の範囲を教えてくださいますか?

フラグメントが~300Da程度、低分子は数百~1000Da程度と定義しています。一部ペプチドにも適用できる部分もあるかと思います。

SA chipの場合、リファレンスセルはNaOHで洗浄する必要はありませんか?

いいえ、IFUに従い、洗浄してください。SAチップは表面に非共有結合で残存するSAがありますので、これを塩を含む洗浄溶液で除去した方が良いです。G6

ボトルの50mM NaOHはDMSO対応の話ですか?

低分子測定の場合、得られるレスポンスが小さいためにわずかなコンタミ成分の混入により正しい結合レスポンスが見えづらくなります。そのため、神経質にボトルからのコンタミ成分の持ち込みを抑制しているという意味になります。

新規リガンドを取得の場合、チップに固定化したタンパク質に対するポジティブコントロールリガンドがない場合があります。そのような場合の対応はどうするのがよいでしょうか?

小スケールでスクリーニングを実施し、仮のポジティブコントロールサンプルを見つけていただく他ございません。

4点の点とは条件という意味ですか?

溶媒補正の発表における4点とは、仰る通り条件という意味です。日本語マニュアルではランニング緩衝液のDMSO濃度±1%のDMSO濃度を用意するように記載されておりましたが、最近本社側が新たに出した資料では少し違っておりましたので、今回のプレゼン内容も本社の資料に合わせてご案内いたしました。

フラグメントと低分子の違いが分かりにくい感じです。すみません。

フラグメントが~300Da程度でRule of threeを満たす化合物を想定し、、低分子は数百~1000Da程度を想定しております。ワークフローという意味では、フラグメントはその低親和性から箱型になるのが典型的であり、それ以外をいかに素早く除外し確からしいHitsを残すことを主眼としているのに対し、化合物では既にある程度有望なサンプルの中からより良いサンプルを選別することを主眼としています。

ピペッテイングとは、よく混ぜるという意味ですか?

はい、その通りです。ピペットマンの先をバイアルやプレート中の混合溶液中に入れて、吸ったり吐いたりすることで、よく混ぜるということです。弊社では5回のピペッティング操作を推奨しております。

複数のbiophysicsの方法で異なる結果が得られる場合、どう対処する必要があるでしょう?

Phenotypicの結果と合わせてご評価いただくか、MOAを確認していく必要があると思われます。

センサーグラムの形状が箱形と徐々に立ち上がる、の2種類になるのか、そのメカニズムが解りにくいです。なぜアフィニティが低いと箱形になるのでしょうか?

A+B⇔ABの反応において、Aをアナライト、Bをリガンドとします。

まず解離相については複合体が素早く解離してしまうためカーブが見られないのはイメージしやすいかと思います。 また、結合相におけるセンサーグラムの立ち上がり(結合速度)は、ka[A][B]-kd[AB]と相関します。 アフィニティが弱い相互作用はそもそもレスポンスを得るため高い[A](アナライト濃度)が必要であり、特に結合相初期(初速度)においてはka[A][B]項が支配的になるので結合速度が速くなります。 結合相について詳細に見ていきましょう。

A+B⇔ABの平衡反応において、結合相のレスポンス、つまり単位時間当たりAB複合体がどのくらいできるか、というのは以下の式で表されます。

d[AB]/dt = ka[A][B] – kd[AB] ①

これをBiacore™上のレスポンスRに書き換えて

dR/dt = ka[A](Rmax-R) – kd・R ②

単位時間当たりのレスポンスの傾きdR/dtは、アナライト添加直後が最も大きく(傾きが急)であり、平衡状態に向かって徐々に小さく(傾きが緩やかに)なっていき、最終的に0となり平衡状態を迎えるのもイメージしやすいかと思います。 ここで上述のようにアフィニティが弱い相互作用では高濃度のアナライトを添加しますので、相対的に平衡状態に達するまでの時間が短くなり、箱型となります。 なおkaの値は現実上103を下回ることは通常ない一方でkdの大きさはおそらくいくらでも大きくなりうると考えられます。 すると結果として、アフィニティが非常に弱くなる主要因はkdとなりますので、アフィニティが弱い相互作用の初速度がkaが小さいことで遅くなる、ということはなくなります。

 

(補足)
上記②式を積分型に直すと③式が得られます(Reqは平衡値を指します)
R(t) = Req*{1 - e^(-(ka*C + kd)*t) } ③

③式の1 - e^(-(ka*C + kd)*t) のみをシミュレーションしますと以下のようになります。 <シミュレーション条件>
アナライト濃度C:1mMもしくは0.1mM
結合速度定数ka:1e3もしくは1e6
解離速度定数kd:1もしくは1e-3

黄色のセンサーグラムの条件はC=0.1mM, ka=1e3, kd=1e-3の場合で、それ以外は5秒以内にほぼ1になっている(=速やかに箱型になる)ことが分かります。 ここから、解離相においてカーブが見られないくらい解離速度定数が大きいのであれば、十分なアナライト濃度を添加すれば速やかに平衡値に達し箱型のセンサーグラムになると言えます。

箱型のセンサーグラム


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