Cytiva

検索のヘルプ

Location:HomeHot News > キャンペーン

まずは動け!立ち止まらず一歩先へ――その「実行力」から生み出すCytiva「バイオプロセス」の未来

早野 雅子|Masako HAYANO

BioProcess™アプリケーション営業部長, Cytiva - Japan

記事作成日:2020/09/29

MBA取得やアメリカ駐在などさまざまな経験をし、自らキャリアを着実に重ねているBioProcess™アプリケーション営業部を率いる早野雅子。そんな彼女に自らの実体験に基づく仕事観やピンチの時の対処法、コロナ禍のプライベートライフについてインタビューしました。

――まず「ライフサイエンス」との出会いから、教えてくださいますか?

子どものころから、家族や親戚など身近にいる女性は仕事をしていて、「大人になったら(当時の言葉でいう)“キャリアウーマン”になる」とぼんやり思っていました。高校生のときに、理系の方が女性でも長く働けそうだと思い、化学・物理系をメインに受験していましたがバイオが注目を浴びていたので、なんとなく受験(笑)。それがきっかけで、大学で専攻することになりました。いま、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、毎日のようにワクチンが大きく取り挙げられていますよね。医薬品が、輸入ではなく国内で開発・製造されることの重要性がこれほど注目されたことは今までなかったように思います。これをきっかけに、多くの中高生が「バイオ医薬品」に興味をもつ機会が増えればうれしいですね。

――どのような学生時代を過ごされましたか?

ひたすら遺伝子導入・大腸菌培養・スクリーニング・タンパク質精製などを行い、卒業論文を書き上げたら卒業に向けて一直線という学生時代でした。正直に言うと、大学に入学してからライフサイエンス自体、自分が想像していたものと違って興味をもてなくなった時期も…。卒業に必要な単位だけは落とさないように、アルバイトとバンド活動に明け暮れてたり(笑)。もともと海外に興味があっていつか留学したくて、英語も好きだったので、その資金のためにアルバイトで100万円も貯めました。いつか留学したいという気持ちはずっとありましたね。

――なぜこの仕事を選んだのですか?

当時は就職難で、男性の友人がどんどん内定を得るなか、総合職を目指していた私は100社以上に応募しましたが、なかなか面接まで辿りつけなかったんです。外資系にも何社か応募したところよいお返事が数社から来て、第一線でキャリアを積みたいと思っていたこと、英語が好きだったので海外と仕事ができることから、グローバルなうちの会社(当時のファルマシア・バイオテク株式会社)に魅力を感じて、この仕事に就きました。

――ご自身のこれまでのキャリアについて教えてください

入社して最初に配属されたのが、バイオプロセス事業部でした。当時弊社はリサーチ事業部がメインで、バイオプロセス事業部はまだ小さい部署でした。その後、リサーチ事業部や学術、マーケティングなどの部署も経験。ちょうどこの時期ですね。マーケティングに興味があって、仕事をしながらMBA(経営学修士)取得のため社会人大学院にも通っていました。ここではライフサイエンスの実験の世界とは違って、〈実験の目的〉〈実験の内容〉〈実験データ〉〈考察〉という今までのスタンダードなレポートの型はそのまま使えないので、卒業論文にとても苦労しましたが、違う世界が開けた感覚をもったのを今でも覚えています。受験するまでは国語が苦手だったのですが、文章を書くことの重要性についても学び直せたことは社会人として貴重な体験でした。

また、アメリカの営業所に就労ビザを取得して赴任した経験もあります。もともと留学したいと学生時代から思っていたこともあって、まとまった休みを利用して留学したいと当時の上司に相談したところ、「ちょっと待て。何か案を考えるから」と言われ、結果、アメリカの営業所に4カ月ほど赴任することになったのです。当時は細胞培養装置を開発していた『WAVE™』という会社を弊社が買収したころだったのですが、アメリカでは代理店と協力した活動というのはあまり経験がなかったので、滞在中は日本の代理店での経験を活かしてそれに関する提案書を作成したり、実践したりしました。この経験は、「アメリカでも仕事ができる、役に立つことがあるんだ」という自信につながりましたね。ただ、「英語は海外へ行くだけでは上達しないな」とも実感しました。英語は、単語を覚えるなど日々の基礎的な鍛錬も大事ですね。でも家や車の手続き、ビザの申請、英語書類の手続きなどが苦にならなくなりましたね。週末にマンハッタンに遊びに行くのもちょっとした“冒険”で、もともと動じない性格なのですが、この経験でさらにパワーアップしたような気がします。

――いまのお仕事で、何を大切にされていますか?

弊社Global拠点の1つスウェーデン ウプサラの大聖堂にて

「30年、お客様の医薬品のライフサイクルとともに」――これは、私たちの部署・BioProcess™アプリケーション営業部のキャッチコピーです。現在、バイオ医薬品候補薬のプロセス開発・治験薬製造・商用生産にて、より速く革新的な医薬品が必要な人に届くことを目指し、さまざまな提案やサポートを行っています。一方で、私たちの提案を通じてバイオ医薬品の製造に採用していただいたからには、お客様が安定的に製造できるようサポートし続けていかなければなりません。なかなか簡単に製造方法の変更はできないことから、重責を担っていると認識しています。何があっても、医薬品の安定製造を支えていこうという点が一番大切にしていることです。企業ですから、どうやって多くの新たなお客様に製品を使っていただくかということも大事だとは思うのですが、私が大事にしているのは「販売後=アフター」ですね。ユーザー様は、会社の財産だと思っています。基盤ができていれば、その上で新しいものを導入していただけるし、苦しい時でもその基盤があればそこをベースに会社が成長できる。この「アフターの責任」を大切にしたいなと思っています。

一方、私個人としては、「Execution=実行すること」が大切だと思っています。考えてばかりいて時間だけが経過してしまうとイライラしてしまう性格なのもあるのですが(笑)、ここのデッドラインまでに何をするという目標が決まっているのであれば、それを完遂するということを大切にしています。

――「実行する」際に不安や迷いはないのですか?

まず、「(不安や迷いを生じさせる)急に決めないといけない状況」に陥らないのが重要です。なので、今すぐの仕事以外についても普段から考えるようにしています。ちょっとボーっとしている瞬間など、普段からいろいろ考えておけば、「どうしよう?」から始まらなくて済むのです。その時は、もう心の準備ができています。ずっと考え続けることは、クセ=習慣になっていますね。あとは、選択肢が複数あったときによい点・悪い点は当然あるわけで、どっちに進むにしろ決めるということはすごく大事なことなので、私はできるだけ決めるのが遅くならないように心掛けています。同僚からは「男前な判断」と言われたりしますが(笑)私はチームの中で決める係なので、決めると思ったらバシバシ決めます。そして、決めたら後悔しないことですね!

――チームづくりで、心掛けていることは?

私の組織づくりの究極の目標は、私がいなくても仕事が何事もなく進むこと。つまり、私がいなくなることが目標なのです。医薬品の開発期間と製品ライフサイクルは非常に長く、かなり前の過去の対応や判断が現在のアクションに影響します。お客様に対して継続性や一貫性が重要となってくるため、チームの構成においてもその点を考慮しています。チームの一人ひとりがプロフェッショナルとして自ら考えて、一人ひとりが判断するように判断基準を伝えています。判断基準を養うことが大切なので、チームメンバーの話を聞くためにタッチポイントと弊社で呼んでいる個別面談をよく行っています。どういうところで迷っているのか、判断基準にズレはないかなど、面談はチーム全員と行っていますが、若手で2週間に1回の頻度です。今はリモートで仕事をすることが多いため、こまめなチーム内での確認がより一層重要になってきているなと感じています。先の日本代表ペレ・ステファンもインタビューで「フラットな組織」について触れていましたが、みんなの判断基準が統一してくれば、上司はいらなくなるかもしれないなと。

――COVID-19の影響でリモートワークになり、変わったことはありますか?

先の営業部長の米本 佳余子もインタビューで言っていましたが、遠方のお客様と1日3件一気に面談できてしまうほど凄まじく営業効率はよくなりましたね。ただ、1日に面談が何本も入るとね、頭が疲労したり、違うストレスもありますけどね(笑)。営業効率は高いですが、新しい悩みもあってですね。ひとつは、「ウェットトレーニング」です。実物の機器や試薬をサポートする部署なので、たとえば若手が会社でトレーニングしていてちっともうまく行かない場合、以前は誰かしら会社にいて、すぐ対応すれば済んでいましたが、今はほとんどの人がリモートワークなのでこれが難しい。もうひとつは、新入社員さん。今度社員が新たに来てくれますが、周りに人がいてわからないことがあったらすぐ聞いて!みたいなサポートが以前のようにはできないのです。COVID-19でテレワークが通常になっている今、週交代でマネージャーが出社してサポートするなど検討中です。過去にコミュニティが成立している同僚やお客様とは、オンライン会議でコミュニケーションのスピードも上がるし、よいところも多いですが、新しくコミュニティに入って来る人と「今日、お昼一緒に行こうか~」というのもできないし、新しい悩みですね。

――組織として、大事だと思うことは?

「変化する力」と「実行力」を持ち続けることだと思います。それから、フェアで話しやすい雰囲気で協力しあうカルチャー。そういったカルチャーの背景には、相互理解と信頼が必須で、そのためにも、「ダイバーシティー(多様性)」と「寛容性」は重要だと思います。今のアプリケーション営業部には技術営業職の出身ではない人も多数いて、年齢・国籍・ジェンダー、さまざまな構成のミックスになっています。海外の仲間と仕事することが頻繁な環境であることもあり、日々の仕事を通してそれなりに“自分と違う”ということに自然と訓練されてきていたのかなっていうのもありますね。私だけじゃなくてみんなの寛容性の土壌がどんどん広がっていると感じるので。

――これからの夢、取り組みたいことを教えてください

お亡くなりになった方や苦しい状況の方がいらっしゃるなか不謹慎かもしれないですけど、こんな状況であっても“今”を楽しむ精神を持ち続けたいと思っています。自粛生活が始まったころ、「今って100年に一度のパラダイムシフトじゃない?」って思ったのです。弊社はリモートワークやオンライン会議に割と慣れている方でしたけど、そうじゃなかった会社もどこもとても工夫されていますよ。業種によってよかったり悪かったりいろいろありますが、このパラダイムシフトを現役で経験できるのはすごいことだなと思っています。新しいスタイルの社会のなかで自分のクオリティ・オブ・ライフとのバランスとか、どういう風に考えていくかなど、この機会に模索したいなと。

ゴルフも好きですね。早めに仕事を切り上げてゴルフの練習に行ったりとか、以前はあまりできなかったけれど、今までと違ったことにも取り組んでみたいなと思っています。ポジティブに“今”を捉えて、ワクワクすることを考えていきたいです。

――ポジティブな早野さんですが、ピンチに陥ったことはないのですか?

実は、海外出張した時パスポートをなくしたことがあるんです…。ずいぶん昔の話で、今でこそこうして笑ってお話できますけど、この時はほんとうにピンチ!でした。ただ、この時に限らずですが、私は「ピンチの時こそ行動する」ようにしています。悶々と考えていても何も進まないので。人に話を聞くでもいいし、周りに何と言われてもやってみるでもいいし、じっと立ち止まらないようにします。何かしら行動するとヒントが出てくるから、ずっと悩まない。これが秘訣です。私のパスポート紛失事件簿(笑)は、こちらに詳しくまとめてあります。その時置かれた状況、そして私がピンチをどう乗り切ったか――もしよかったらご参考までにご覧ください。

“まずは動け!立ち止まらず一歩先へ”


お問合せフォーム

※日本ポールの他事業部取扱い製品(例: 食品・飲料、半導体、化学/石油/ガス )はこちらより各事業部へお問い合わせください。