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Location:Home実験手法別製品・技術情報2D DIGE(蛍光標識二次元発現差異解析)

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教えて!Dr. 近藤!
二次元電気泳動/2D-DIGEに関する質問箱

このページでは、DIGE道場の読者からお寄せいただいたご質問に、Dr.近藤が自らの経験をもとに回答、私見を述べるコーナーです。

お寄せいただいた質問


質問英道さま からのご質問

サチュレーションダイを用いた実験系についてお聞きします。1 µgのタンパク質を泳動した解析用ゲルでは検出しなかったスポットを100 µgのタンパク質を泳動した分取用ゲルで検出したことはありますか。サチュレーションダイの高検出感度からこのようなことを心配する必要はないのでしょうか。

また、解析ソフト上ではスポットとして認識されているが、コントラストを上げても目視できないスポットは、検出スポットとしてカウントして良いものなのでしょうか。

上記の質問と同様、このようなスポットは分取用ゲルでは検出できるようになるのでしょうか。

回答Dr. 近藤からの回答

理論的には100倍のタンパク質を使えばスポットは100倍の個数が観察できるはずです。しかし、実際にはそのようなデータを得ていません。どういうことかと言うと、Typhoon™でスキャンする際に、濃度が最も高いスポットがサチュレートしないようにPMTボルテージを調整します。100倍量の総タンパク質を添加すると、たとえばアクチンも100倍量がゲル中に存在することになるので、1 µg用の感度でスキャンするとゲルが真っ黒になってしまいます。ですので、結局は検出感度を下げてスキャンしています。

では、100倍量のせてかつ感度をそのままにしたらどうなるのか。モニターで観察する分には階調を調整するので、見た目は同じようなことになるかもしれませんし、サチュレートした状態のシグナルがゲル全範囲を覆うことになるかもしれません。

解析ソフト上ではスポットとして検出できるがコントラストを上げても目視できないスポットを検出スポットとしていいかどうか、という質問について。まず、いいかどうか、は研究の目的によると思います。実験系を評価する場合のように、スポットの数をある基準で数えることに意味のある実験であれば、検出スポットとしていいと思います。一方、そのスポットに対応するタンパク質を後に質量分析で同定したいというときは、検出スポットとすることにあまり意味がないかもしれません。


質問英道さま からのご質問

血漿・血清タンパク質をDIGE解析したいと考えています。そこで、血中の主要タンパク質を可能な限り除去したいと考えていますが、これまでに良好なデータを得られた精製カラムなどがありましたらご教授願います。

回答Dr. 近藤からの回答

血漿・血清タンパク質からのDIGE解析について。私の経験ではAgilent™の抗体カラムはよかったです。6種類の多量タンパク質を除くものですが、再現性もよく良好な結果が得られました。もっとたくさんのタンパク質を除くカラムも試しましたが、劇的に結果がよくなることはありませんでした。

ただ、抗体カラムだけでは前処理としては不足です。抗体カラムにかけたあとのサンプルをさらに分画をとることで、もっとたくさんのタンパク質スポットを観察することができるようになります。

詳しくは下記の論文をご覧ください。

Okano T, Kondo T, Kakisaka T, Fujii K, Yamada M, Kato H, Nishimura T, Gemma A,Kudoh S, Hirohashi S.Plasma proteomics of lung cancer by a linkage of multi-dimensional liquid chromatography and two-dimensional difference gel electrophoresis. Proteomics. 2006 Jul;6(13):3938-48.


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