Cytiva

検索のヘルプ

Location:HomeHot Newsトレーニング/セミナー/シンポジウム情報

Fast Trak™ 特別無料トレーニング
バイオプロセス 品質リスクマネジメント

バイオ医薬品開発・製造においては、科学的根拠に基づいた品質の管理と、リスク分析に基づいたプロセス管理により、品質を担保するというリスクベースアプローチが非常に重要となっております。
このコースでは、バイオ医薬品開発・製造におけるリスクマネジメントの進め方、デザインスペースの構築の仕方について、具体的な例をお示ししながら解説します。
講師には、元アムジェンでプロセス開発に携わった経験を持ち、PDA Advisory BoardでもあるAnurag Rathoreをお招きし、皆さまの実務に即したバリデーショントレーニングをお届けいたします。
この機会に、ぜひお申込みください。ご参加お待ちしております。

※ 「Fast Trak™」は、長い歴史とノウハウを持つトレーニングプログラムです。医薬品開発・製造に携わる皆様に、専門的な理論と技法を、講義と実習を通して習得していただけます。


開催レポート
大盛況!ご参加誠にありがとうございました

去る10月25日、バイオ医薬品の開発・製造で注目されているリスクベースアプローチについての理解を深め、科学的根拠に基づいて医薬品の品質を担保するお手伝いができるよう、Fast Trak™ 特別無料トレーニング「バイオプロセス 品質リスクマネジメント」を開催いたしました。

参加いただいた皆さまから

「初心者にわかりやすかった」
「ケーススタディがよかった」

など、たくさんのご感想をいただきました。

ご参加いただきました皆さまには、この場をお借りしてお礼申し上げます。

各トレーニングの概要や講師とのQ&Aをご紹介

1. Process Validation - From Current State to Future

最初にProcess Validation(PV)の定義を確認した上で、一貫性、品質担保の根拠文書、目標設定、プロセス品質特性の理解、基準範囲、結果検証などをご説明し、PV理解の補助としてPDA TR42の利用をお奨めしました。

FDA New PV Guidanceについては、Process design、Process qualification、Continued process verificationの3ステージをご説明しました。特性解析(開発)、バリデーション(品管)、モニタリング(製造)はそれぞれ密接な関わりが要求されます。バイオ医薬品スケールアップは重要な課題であり、承認のためには量産規模の検証データが必要です。当局の認識では、検証データは3~5では不十分で、もっとデータが必要です。

PVの重要項目およびプロセス特性については、バリデーションとプロセス特性の相互関係理解が重要で、Design Space、各Limit、QbDを考慮したPV実施によりリスク削減が期待されます。

Q&A

質問 1:CPVについて、当局はデータの蓄積によって、より厳重な管理をしていくことを要求しているのですか?

回答:Process design時に十分なデータを取り、さらにQualification/Verificationで頻繁にデータを取って解析し、よりロバストなプロセスを構築・管理していく方向性です。

質問 2:スケールダウンモデルとラージスケールのデータの相関検討について教えてください。

回答:ラージスケールの経験がなければ、ラージスケールからのスケールダウンモデルをシステム化しづらいです。そのようなノウハウがない場合は、一般の科学技術的知見からシステムをデザインして検証します。
スケールダウンモデルからラージスケールに移行した場合に想定からズレが生じたら、スケールダウンモデルでデータの取り直しなどが必要になります。しかし、スケールアップ、スケールダウン検討の経験を積むことで、スモールとラージのデータを反映できるシステムを構築できるようになります。

2. QbD - Design Space

Quality by Design(QbD)は「デザイン(設計)によって目標品質を確保する」という概念です。QbD実施のKeyステップについて、Target Product Profile(TPP)の設定、Critical Quality Attributes(CQA)の特定、Product Design SpaceとProcess Design Spaceの限定、Control Strategyの設定、ValidationとFiling実施、Monitor/Lifecycle管理の順で参考例を交えてご紹介しました。QbDの体系や各ステップで実施するポイントについての理解を補助する内容でした。QbDを支援する点として、リスク評価と管理、原材料管理、統計手法の利用が挙げられました。

Design Spaceの説明では、操作パラメーターの評価分析による優先度決定、統計手法によるDoEスタディーでSpace(Range)を設定していくフローを、参考図を用いてご説明しました。また、品質特性と品質管理項目を書き出してCriticality(重要度)の評価を進める参考例で、Control Strategyをご説明しました。最後に、従来手法からQbDへ移行する現場の皆さまの参考になるよう、目標品質達成に向けた従来のアプローチとQbDのアプローチを比較しました。

Q&A

質問:CQAのリスク評価の参考例(表)でSafety(安全性)とEfficacy(効能)についてCQAによるリスクランキングを決めていますが、特に安全性のランキング決定が難しいと感じています。例えば、不純物が0%ではないのですが、そのリスクをどのように見れば良いでしょうか?

回答:不純物が複数種類あり、不純物が0%ではないことは通常でもあることです。例えば、ワーストケースを考慮した上で不純物の総量X%までは安全とみなすことができる、などの説明が可能と考えられます。

3. QbD - Risk Management

ICH Q9 Quality Risk Management(QRM)が主な参考文献です。リスクは、発生頻度と影響度の組合せで評価します。品質リスク評価の担当者は、リスク評価のための科学的知識、経験、能力を有していなければなりません。また、QRMの文書、形式、実行度のレベルは、リスクのレベルと釣り合うべきで、そのためにはPV同様にリスク評価に適切ないくつかの部門が関与すべきです。QRMプロセスを説明したICH Q9からのフロー図は全体像を把握するのに役立ちます。

リスクのアセスメント、特定、分析、評価についての説明の後、アセスメントの次ステップとしてリスクの制御、レビュー、関係者(部門)のコミュニケーションについてもご説明しました。

また、QRMプランの作成とプランに基づいた実行の必要性についての話題や、リスク評価用のツール紹介もありました。例えばFMEA(欠陥モード影響解析)によるリスクスコアと優先順位づけ、リスク分析などについて、参考図を用いて具体的にご紹介しました。

4. Design Space Case Study Upstream: Case Studies for Establishment of Process Design Space in the QbD Paradigm

アップストリーム工程におけるデザインスペース構築について2つの事例をご紹介しました。

例1)Pichia培養のデザインスペース構築におけるスケールダウン方法、リスク分析、DOE、ワーストケース実験を行いました。品質特性に有意な影響を与えるパラメータは見つからなかったこと、細胞増殖およびタイターに関して温度、pH、DOがキープロセスパラメータであることから、温度、pH、DOに対するAcceptable rangesを確立できました。

例2)Computational Fluid Dynamics (CFD)を利用してバイオリアクター撹拌のデザインスペース構築における流体力学的条件検討、バイオリアクター構造改良、DOEを行いました。適切なスケールダウンモデルを利用してDOEを実施すること、多くの情報源からのデータを統計的に解析することにより、CFDはデザインスペース構築において実験数を低減するために有用であることが示されました。

Q&A

質問:CFDと実機との相同性に関する証明は必要でしょう?

回答:モデルでの予測が正しいかバリデーションが必要です。つまり、スケールアップした際に、どのような条件で運用すれば目的のKLaが得られるか実証する必要があります。

5. QbD Case Study Downstream: QbD Case Study in Downstream Processing

Granulocyte colony-stimulating factor (GCSF)のダウンストリームプロセス開発についてご紹介しました。

GCSFのプロセスレビュー、リスク分析、分析プラットフォーム、リフォールディングの至適化、クロマト工程開発、製品品質分析を行いました。プロセス開発におけるQbDはシステマティックなアプローチ、DOE、HTPD、全体的なプロセス理解、プロセスモデリングによって特徴づけられること、そして、その主な利点は、データに基づいた意思決定、プロセスの堅牢性、プロセスの一貫性、許容可能な製品品質、製造および製品化の簡便性であることが示されました。

Q&A

質問:クロマトステップのデザインスペース構築において多数のパラメータについてDOEを行う方法は?

回答:パラメータが多すぎる場合はスクリーニング検討によりパラメータを絞り込み、プロセスがファイナライズしたのちにDOEを行ってください。

6. Technology Transfer: Technology Transfer of Biotech Processes

バイオ医薬品製造の技術移管におけるキーとなるチャレンジ、効率的なDOE、プロセス変動をもたらす要因、キーとなる項目、実験検証とデータ解析、タイムライン、契約者とベンダーの役割、商用生産の準備についてご説明しました。

その事例として、組換え糖たんぱく質の製造工程の技術移管(バイオリアクターのデザイン、培養pH、TFFフィードポンプ、ウイルスクリアランス)をご紹介しました。

まとめとして、実験とデータ解析によって得られた知識が技術移管に役立つこと、スケールアップファクターの中にはDOE開発ステージで決定できるものと商用スケールで評価が必要なものがあること、プロセス能力評価およびモデルと予測検証のために商用生産期間においてもデータレビューは継続するべきであること、リスク分析は施設適合分析において同定された実施可能な項目を優先的に行うべきであることをご説明しました。


開催概要

日時

2013年10月25日(金)  10:45~18:00(受付10:30~ 開会10:45~)

会場

AP西新宿 【※変更となっております。ご注意ください。】

JR・小田急・京王・都営新宿線「新宿」駅徒歩約6分
都営大江戸線「新宿西口」駅D5出口徒歩約3分
西武新宿線「西武新宿」駅徒歩約3分

※ 都合により、会場がCytiva ライフサイエンス新宿本部よりAP西新宿へ変更となりました。
 お間違いのないようにご来場ください。

募集定員

40名(先着順)

対象者

医薬品開発・製造に携わる方

参加費

無料(事前参加登録制)

お申込み方法

お申込みはこちら

お申込み締切

2013年10月16日(水)

プログラム

時間 内容
10:30 受付開始
10:45~10:50 開会挨拶
10:50~11:40 トレーニング 1
Process Validation – From Current State to Future
11:40~12:30 トレーニング 2
QbD – Design Space
12:30~13:30 ランチョンセミナー(お弁当を配布いたします)
バイオ医薬品におけるプロセス開発の動向・新しい技術
13:30~14:20 トレーニング 3
QbD – Risk Management
14:20~15:10 トレーニング 4
Case Study 1: Development of Design Space for Upstream & Downstream Process
15:10~15:30 コーヒーブレイク
15:30~16:20 トレーニング 5
Case Study 2: A QbD approach to Mab Purification
16:20~17:10 トレーニング 6
Technology Transfer of Biotech Processes
17:10~17:15 閉会挨拶
17:15~18:00 交流会

※プログラムの内容は変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

講師紹介

Dr. Anurag S. Rathore is a consultant of Biotech CMC Issues. He is also a faculty at the Department of Chemical Engineering, Indian Institute of Technology, Delhi, India. His previous roles included management positions at Amgen Inc., Thousand Oaks, California and Pharmacia Corp., St. Louis, Missouri. His areas of interest include process development, scale-up, technology transfer, process validation, process analytical technology and quality by design. He has authored more than 100 publications and presentations in these areas and serves on the Editorial Advisory Boards for Biotechnology Progress, BioPharm International, Pharmaceutical Technology Europe and Separation and Purification Reviews. Dr. Rathore has edited books titled Quality by Design for Biopharmaceuticals: Perspectives and Case Studies (2009), Elements of Biopharmaceutical Production (2007), Process Validation (2005), Electrokinetic Phenomena (2004) and Scale-up and Optimization in Preparative Chromatography (2003). He has a Ph.D. in Chemical Engineering from Yale University.

お申込み方法

定員に達しましたので申込み受付を終了いたしました。たくさんのお申込み、ありがとうございました。当日のご来場を、スタッフ一同、心よりお待ちしております。

お申込みに関する注意事項

  • お手数ですが参加者1名ずつご登録ください。
  • 定員になり次第、申込みを終了させていただきますのであらかじめご了承ください。
  • 当社の判断により、参加をお断りする場合がありますので、予めご了承ください。
  • ご登録いただいた連絡先をもとにe-mail・電話等で弊社製品の販売・関連製品・キャンペーン等に関する情報を提供させていただく場合がございます。
  • ご登録いただいた個人情報については、弊社プライバシーポリシーに基づいて厳重に管理させていただいております。

 


お問合せフォーム

※日本ポールの他事業部取扱い製品(例: 食品・飲料、半導体、化学/石油/ガス )はこちらより各事業部へお問い合わせください。