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Location:Home実験手法別製品・技術情報二次元電気泳動

二次元電気泳動

原理

二段階の電気泳動によりタンパク質を二次元に分離する手法です。一般的に、一次元目は等電点電気泳動によりタンパク質を分離し、二次元目はSDS-PAGEにより分子量で分離します。いずれの手法も分離能が非常に高いので、細胞全タンパク質を数千以上にもおよぶスポットに分離することができます。プロテオーム解析において、二次元電気泳動手法は中心的な役割を担っており、再現性と解像度に優れた固定化pH勾配(Immobilized pH Gradient, IPG)法を一次元目泳動に用いることが一般的になっています。また、より多くのスポットを得るために、幅広いpHレンジの分離結果を基にしてNarrow pH IPGゲルで目的pH部分のみを分離したり、20 cm以上の大型ゲルを用いて二次元目電気泳動を行うこともあります。プロテオーム解析では、データの再現性と共にスループット(処理能力)も重要な課題です。多サンプルを同時泳動可能な一次元目専用、二次元目専用泳動装置も開発されています。
二次元電気泳動後のゲルは、銀染色や蛍光染色でスポットを検出します。銀染色は、ゲルスポット自体を可視化するので特別な装置を必要としません。一方、蛍光染色ゲルのスポット検出には蛍光スキャナーなどの検出装置が必要ですが、検出のダイナミックレンジが広く画像解析も容易なため詳細な比較解析に適しています。

Two-dimensional electrophoresis step-by-step

1. サンプル調製

高分離能を得るために、サンプルを変性し、完全に可溶化させます。
可溶化ステップの図

2. 一次元目の泳動:等電点電気泳動

一次元目では、Immobiline™ DryStripゲルの固定化pH 勾配上で等電点の違いによって、タンパク質を分離します。
等電点電気泳動の図

3. 二次元目の泳動:SDS-PAGE

二次元目ではホモジニアスゲルもしくはグラジエントゲルを用いて、分子量の違いによってタンパク質を分離します。
SDS-PAGEの図

4. ビジュアル化と泳動結果の解析

オートラジオグラフィー検出や一般的な染色による検出、またブロッティング後の抗原抗体反応による検出などを行います。多彩な検出方法や技術を用いて、サンプル間の比較や特定のタンパク質の同定が可能です。
解析の図

実験例

図1. Immobiline™ DryStrip 18 cmと大型のExcelGel™ XL SDSを使ってマウスの肝臓を二次元電気泳動し、銀染色したもの(ミュンヘン工科大学Dr. Görgの好意により掲載)。
二次元電気泳動し、銀染色した図

図2. 18 cm長のImmobiline™ DryStrip pH 3-10 L、pH 4-7とnarrow pHレンジ18 cm長のImmobiline™ DryStrip pH 5.0-6.0による泳動結果を比較しました。一次元目にImmobiline™ DryStrip pH 5.0-6.0を使用すると、pH 3-10ストリップを使用したときに比べて、多くのスポットが得られていることがわかります。またサンプルを3倍量添加しても明瞭なスポットが検出されました。
(サンプル: 大腸菌タンパク質、検出:銀染色)

pHレンジ 3-10 4-7 5.0-6.0
サンプル添加量 40 µg 80 µg 120 µg

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