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DIGE 道場 第6回
ゲルボックスを使ったSDS-PAGEゲル作製の実際

第6回 もくじ

  1. はじめに
  2. Ettan™ DALTtwelveのためのゲル作製 1
  3. Ettan™ DALTtwelveのためのゲル作製 2 (本ページ)
  4. 巨大ゲル用のゲルボックスの使用法
  5. おわりに

Dr. 近藤のコラム
→コラム第6回 「二次元電気泳動は何をみているのか?」

3. Ettan™ DALTtwelveのためのゲル作製 2

グラジエントメーカーにゲルボックスを接続したところ。グラジエントメーカーについては先月号を参照。右側のチャンバーにアクリルアミド濃度の薄いゲル溶液、左のチャンバーには濃いゲル溶液をそれぞれ入れる。ペリスタポンプによって2種類の溶液はチャンバーから引き出され、混合されたあとにゲルボックスへと運ばれる。

写真11

ゲル溶液はゲル箱の横に取り付けられたチューブにまず入り、下に回ってゲル箱へと入って行く。ゲル箱の横の部分は拡大すると下の写真のようになっている。

写真12

上部のタンクの中にはグラジエントメーカーからくるチューブ管を接続するための穴があけてある(下図)。ここにうまくチューブ管がはまるようにシリコン製のチューブを短く切ったものを詰めている。

写真13

チューブ管をこの穴に差し込み、Displacing Solution溶液(ラボ内の通称「ブルーの液」)を周囲の空いたスペースに注ぎ込む。容量は70ml。

ブルーの液の組成

1.5M Tris, pH8.8   125ml  375mM
87% Glycerol 287ml  50%
25mg/ml  BPB 200μl
超純水 88ml
合計 500ml

写真14

下の写真では接続部の周囲に「ブルーの液」が満たされていることがお分かりだろうか。この後、ゲル溶液をすべて注ぎ込んでから接続チューブ管を引っこ抜く。そうすると「ブルーの液」がゲルボックスに入っていく。その目的は後述する。

写真15

グラジエントメーカーを使っているところ。使い方は先月号を参照。

写真16

ゲル箱にゲル溶液が入り液面が上昇しているところ。マークしてあるところでゲル溶液を止める。ガラス板の上端ぎりぎりではないことに注目。

写真17

ゲル溶液を適切な量だけ注ぎ込んだ後は接続用のチューブ管を抜く。接続チューブ管はプラスチック製である程度の固さをもっている。チューブを抜くとあらかじめ注いでおいた「ブルーの液」がゲル箱側のチューブの中へ入り、次いでゲル箱に入っているゲル溶液を下から押し上げ、ガラス板セットの下端とゲル箱の間の不要な空間に満たされたゲル溶液をガラス板の間へ押し込んでいく。この重層溶液の容量をあらかじめ計算に入れてゲル溶液はゲル箱の上端から余裕もって止めるようにしているのである。

写真18

ゲル溶液がガラス板の上端に到達し送液を止めた後、すぐにグラジエントメーカーの洗浄を始める。ペリスタポンプの目盛りを10にセットして水道水でチューブ類を勢いよく流し洗いする。水を十分量グラジエントメーカーに入れ、ペリスタポンプは回しっぱなしにしておく。

ゲルボックスの作業に戻り、水飽和2-ブタノールをゲル溶液の上から重層する。水飽和2-ブタノールはあらかじめ超純水で飽和させたものを50mlのチューブに入れて準備しておく。水で飽和させておかないとゲル溶液に2-ブタノールが溶けてしまうと言われている。水飽和2-ブタノールは作製したものを室温で保存し、不足分を継ぎ足すようにしている。操作としては、1mlのチップを使ってだいたい一定の速度で連続的に重層していく。あまり勢いよく2-ブタノールを重層するとゲルの上面が乱れてしまうので注意が必要。このステップに噴霧器を使っているラボもある。しかし周囲一帯が匂ってしまうのでお勧めできない。水飽和2-ブタノールのためにゲル箱の周囲のアクリル板の表面は長期間使用すると例外なくぼろぼろになる。補修としてゲルボックスの上端の手前側はアクリル板の端材で補強してある。

写真19

重合するまでの間はごみが入らないようにラップなどで上を覆っておく。

ラップをかけ終わったらグラジエントメーカーの洗浄操作に移り、水道水、超純水といれて洗浄する。グラジエントメーカーに接続されたチューブにはゲル溶液が残っていて重合するので、ここは少し急いだ方がよい。洗い方に特別な方法はなく、ペリスタポンプを高速で回しながらゲル溶液が入ったところを三方活栓に接続してあるシリンジも使って水洗する。仮にどこかでゲル溶液が重合してしまっても分解して洗えばいいのでそれほど重大なトラブルではない(忙しい時にやってしまうと気が滅入るだけである)。

ゲルボックスの右下に青く見えるのは「ブルーの液」である。本来はこのスペースにはゲル溶液が入っているのだが、「ブルーの液」によって押し上げられてガラス板の間に入って行った。ゲル溶液の代わりにこの部分は重合することのない「ブルーの液」で満たされている。

写真20

室温でだいたい3時間後にゲルはほぼ完全に重合する。そうなるようにゲル溶液の組成を決めている。重合するまでの間、絶対にゲルボックスは動かさないこと。

重合後にSDS-PAGE用の泳動バッファーで湿らせたペーパータオル(これは低蛍光でなくてもよい)を上にかける。ペーパータオルの上からSDS-PAGE用の泳動バッファーを注いでおく。一晩おいて重合を完全なものにするのだが、夜のうちにゲルの上端がからからに乾いてしまわないようにするためである。

写真21

写真22

湿らせたペーパータオルの上からラップをかけたところ。翌朝にはゲルは完全にできあがっているので、逆の操作でゲル箱を解体し、ゲルを取り出す。水道水で洗浄して風乾し泳動に使用する。ゲルを含めたゲルボックスは案外重たいので、流しまでの移動には実験台と同じくらいの高さの金属製のワゴンを使っている。

写真23

いつも使用している低蛍光ペーパータオル。フナコシを通じて入手することができる。

写真24

次へ 巨大ゲル用のゲルボックスの使用法

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