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Location:Home実験手法別製品・技術情報2D DIGE(蛍光標識二次元発現差異解析)

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カロリ鈴木の技解説

【小内巻き込み(こうちまきこみ)】
一般的に、奇襲技、フェイク技として重宝される技です
横捨身技に分類され、蟹挟(かにばさみ)、河津掛け(かわづがけ:禁止技)などと同じ玄人ごのみの捨身技です。
試合感、技のスキルなど、ある一定のレベルを必要とされる技です。

技自体は、名前の由来と同様に小内刈りに近似していますが、異なる点は、技が掛かった瞬間に釣手と刈った足を重ね合わせ、そのままタックルのように 体を預けるという点です。

この技を繰り出すタイミングとしては、背負い投げなどの担ぎ技を連発し、相手が防御に慣れ始め次も攻撃技がくると先入観を抱いた瞬間です。担ぎ技を掛けた際に相手が重心をやや後ろに掛け防御姿勢をとったところを狙い、そのまま小内巻き込みをかけます。初めにどれだけ布石を打ち、相手に明確な先入観を与えるかが成功のKey pointです。

組み際に突然、利き組みとは異なる組み手をし、そのままおもむろに小内巻き込みというのも、ユニークな戦法です。兵法にもあるように、奇襲はもっとも基本的で効果がある戦術であり、奇襲後に更に奇襲をかけるのは、定石のようです。

近藤は、小内巻き込みを用いて、先入観が物事の成功を左右するIF(インパクトファクター)となりうることを表現しています。

2009年 新たな問題提起

2009年初回、連載第9回の本編は2D-DIGE/MS法の終盤、In-gel digestionについて近藤研のプロトコール付で解説いただいた。
また、今月のコラム第9回「分離を基盤とするプロテオーム解析の限界と可能性」では2D-DIGE法の限界について自ら触れている。

双方の内容に共通することは、技術の本質をきっちり理解することがいかに重要かということである。
どんなタンパク質であっても完璧に対応するIn-gel digestionプロトコールや、あらゆるすべてのタンパク質を一度の二次元電気泳動で見る方法というものは理想論である。“研究のアリ地獄” に足をとられた時には、技術そのものや、研究テーマの本質をもう一度見つめなおしてみるのがよいのかもしれない。

研究メーカーの立場としては、コラム中の近藤先生からのご指摘にあったように、その技術・製品が皆さまの研究にどのように役立つかと同時に、どのような本質(限界)を持っているかを十分に説明することを怠ってはいけないと認識を新たにした次第である。

DIGE 道場 第9回
成功するIn-gel digestion法

汎用性の広いプロトコールを継続して使う

筆者が初めてIn-gel digestion法を試みたのは1992年ころである。当時、質量分析は一般的ではなく、アミノ酸配列の決定にはエドマン分解が使われていた。ゲルで分離されたタンパク質はPVDF膜に転写し、それをトリプシンで処理してできるペプチドを配列決定にまわすという実験の方がIn-gel digestion法よりも主流だった時代である。

In-gel digestion法で回収されたペプチドは、逆相カラムで分離していったん回収するという点が今のLC-MS/MSによる配列決定とは大きく異なっていた。当時は10 pmolのペプチドがないと配列決定できないと言われており、サンプルの調製、分取ゲルの作 製、集めたたくさんのスポットの取扱いなど、さまざまな工夫を凝らしたものである。サンプル調製からスポットの回収までに半年くらいを費やしたこともあった。

In-gel digestion法の工夫がどのように回収率に反映されるかは、もっぱら214 nmの吸収でモニターしていたのだが、十分そうにみえるピークが得られていても実際に二次元電気泳動のスポットから配列決定ができた例は少なかった。今では数10 fmolのペプチド、1個のスポットからたいていはタンパク質の同定ができていることを考えると、隔世の感がある。

今月は筆者のラボで確立されたプロトコールをご紹介する。国立がんセンターに来て2D-DIGE法を始めてからは、リサーチレジデントや研究補助員の方の工夫も加わり数年前に現在のプロトコールに落ち着いた。

いろいろ工夫もしたのだが、マニュアル化してみるととくに何の変哲もない方法にみえる。このプロトコールを確立してから今までに何千個ものスポットを対象に実験を行ってきた。タンパク質同定実験の成功率はスポットの濃度やタンパク質の分子量、その時々の微妙な質量分析装置の調子に左右されるので、In-gel digestion法自体の成功率を正確に評価することはできない。この辺がIn-gel digestion法の標準化の難しいところである。トリプシンによる切断の最適条件、ペプチドを溶出する最適条件は、タンパク質ごとに異なっている可能性は大いにある。したがって、タンパク質ごとにプロトコールを最適化できる余地はまだ残されているだろう。ここで紹介するのはあくまでもどのスポットにも使ってみて経験的に成績がよいという、最大公約数的な方法である。

In-gel digestion法もそうなのだが、アプリケーションの細かい点に耽溺していると本来の研究テーマを見失うような時間・労力・コストの配分になりかねないので、効率は少々わるくても決まったプロトコールでごり押しするのが実際的なやり方だと思う。ベストではないが何にでも使える方法、という意味でここでご紹介する方法は標準的な方法と考えていいだろう。

国立がんセンターで用いているIn-gel digestionプロトコール

今月号ではふだん使用しているプロトコールをそのまま掲載する。プロトコールの詳細と背景となる考え方は来月号に述べる。すでにIn-gel digestion法を行っている方は、ご自分のプロトコールと比較してみていただきたい。

本マニュアルの作成は常広由夏子氏によるものである。常広氏はIn-gel digestionから3台のLC-MS/MSの稼働をこなすきわめて優秀な方で、彼女の参加によってラボの今までのタンパク質同定実験の方法論はある到達点に達したと考えている。優秀なスタッフの参加によって既存のプロトコールの完成度が高まることが時折あるのだが、タンパク質同定実験もその典型例だった。常広氏の能力をさらに活かし、これからもますますのレベルアップを目指したいと考えている。

In gel digestion 操作風景

近藤 格

In-gel digestionプロトコールPDF (国立がんセンター 近藤 格 先生提供)

ゲル内消化プロトコール 近藤先生提供←プロトコールをダウンロード

使用している試薬メーカー、グレード

      
  • メタノール HPLC用,138-06473,1L,(和光純薬工業株式会社)
  • アセトニトリル HPLC用,019-08631,1L,(和光純薬工業株式会社)
  • Trypsin, Frozen V511C,24247011,Sequencing Grade Modified,(プロメガ株式会社)
  • Trifluoroacetic acid HPLC用,202-10733,1ml,(和光純薬工業株式会社)
  • Distilled Water アミノ酸配列分析用,047-16705,500ml,(和光純薬工業株式会社)
Dr. 近藤のコラム 「2D-DIGE の熱い心」

→コラム第9回 「分離を基盤とするプロテオーム解析の限界と可能性」


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近藤 格 先生の研究室 Webサイト

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