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ImageQuant™ LAS 4000シリーズ活用法 その2 : 落射青色光源について

ImageQuant™ LAS 4000

はじめに

ImageQuant™ LASシリーズのオプションのうち、励起波長460 nm青色の落射光源についてご紹介いたします。メンブレンだけでなく、蛍光色素で染色されたゲルの検出にも使用できます。

落射青色光源(460 nm)Epi-B Set、Epi-BGR Set

●対応機種:
ImageQuant™ LAS 4000 mini(オプション、Epi-B Set)
ImageQuant™ LAS 4000(オプション、Epi-B Set、Epi-BGR Set)
ImageQuant™ LAS 4010(標準装備)

落射青色光源で検出が可能な蛍光色素には次のようなものがあります。

  • DNA染色試薬
    SYBR Green I、II、Gold(蛍光フィルター:Y515)
  • タンパク質染色試薬
    SYPRO™ Ruby、Orange、Tangerin(蛍光フィルター:Y515)
  • 標識試薬
    Cy2、FITC、Alexa 488、FAM(蛍光フィルター:Y515)
  • ケミフローレッセンス
    ECF、Attophos、ECL™ Plus(蛍光フィルター:Y515)
  • 蛍光タンパク質
    EGFP(蛍光フィルター:510DF10)

460 nmの青色励起光で励起でき、標準装備の蛍光フィルターで検出可能な蛍光色素には、上にあげたようにさまざまなものがあります。
ImageQuant™ LAS 4000シリーズのアクセサリーの蛍光フィルターにはY515と510DF10があります。そのうちY515フィルターは、515 nmよりも長波長域を透過するロングパスフィルターです。460 nmの励起光をカットオフし、サンプルから発せされる蛍光を検出することができます。一例として、SYPRO™ Ruby(Life Technologies)で染色したSDS-PAGEゲルの検出例を示します(図1)。SYPRO™ Rubyは落射青色蛍光だけでなく、UV励起でも検出が可能です(前回の「UV光源について」参照)。

SDS PAGEのSYPRO™ Ruby検出
図1.SDS PAGEのSYPRO™ Ruby検出
露光時間 1/2秒、青色落射光源、Y515Diフィルター使用
サンプル:BSA
希釈:①3 ug ②1 ug ③300 ng ④100 ng⑤30 ng ⑥10 ng ⑦3 ng ⑧1 ng ⑨300 pg ⑩100 pg ⑪30 pg ⑫10 pg

もうひとつの510DF10フィルターはGFP用バンドパスフィルターで、中心波長510 nm±5 nmの光を透過します。GFPを検出する場合には、よりバックグラウンドの低い検出が要求されるため、励起光とともに515 nmより長波長領域をカットして検出します(図2)。


図2.GFP検出例
510DF10フィルターの方が、Y515フィルターを使用した場合に比べて、S/Nが向上しました。
左:510DF10フィルター使用、 右:Y515フィルター使用

お使いになる色素の蛍光波長がY515、510DF10のいずれのフィルターでもできる場合は、次のように使い分けます。単色を検出する場合には、Y515フィルターを用いた方が、より感度高く検出することができます。これに対して、FITC(励起・蛍光波長表記)とTexas Red™(励起・蛍光波長表記)などの二重標識されたメンブレンなどを検出する場合には、色素間のクロストーク(波長重複)を防止するために、バンドパスフィルターである510DF10を使用します。この場合、FITCの蛍光ピーク付近の蛍光のみを透過し、それ以外のTexasRedの蛍光はカットして検出します。

3色(青、赤、緑)対応の光源(Epi BGR Set)であれば、光源を取り替えることなく、マルチカラー蛍光の検出が可能です。1色のみの光源(Epi B Setなど)を組み合わせてマルチカラー検出する場合には、光源を付け替えて検出します(図3)。蛍光検出の場合には、ゲル・メンブレンを置くトレイは、化学発光と同じEPIトレイを使用します(図 4)。

* 蛍光マルチカラー検出は、ImageQuant™ LAS 4010/4000で行えます。ImageQuant™ LAS 4000 miniは、青色落射光源による1色の検出のみに対応し、マルチカラー検出には対応していません。


Epi B(青色落射)光源

Epi BGR(3色落射)光源
図3. Epi B Set とEpi BGR Setに含まれる落射光源。
上:Epi B(青色落射)光源、下:Epi BGR(3色落射)光源
※ Epi B Setと Epi BGR Setには、光源と検出に必要な蛍光フィルターが含まれます。

epiトレイ
図4 EPIトレイ

 

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