ウェスタンブロッティング こんなときどうする?
~転写効率をあげたい~

回答:ウェスタンブロッティング担当
ウェスタンブロッティングのさまざまなポイントの中で改善したいというお声の多かった転写効率について取り上げます。
まず、転写バッファーと泳動バッファーの組成が異なる場合はゲルを転写バッファーに浸してバッ
ファーを置換します。このステップを飛ばすとバンドが消失する、解像度が低下すること
があります。
その他、転写効率を上げるポイントは下記の項目に分かれます。
- 転写方式の選択
- メンブレンの選択
- 転写バッファーの組成
- 転写条件(電流)
それぞれについて詳しくご説明します。
転写方式の選択
高分子のタンパク質(100~120 kDa以上が目安)は、転写効率が高いタンク式のブロッティング装置をおすすめします。
メンブレンの選択
タンパク質の分子量が小さい(7~10 kDa以下が目安)と0.45 μmのポアサイズのメンブレンを通り抜けてしまいメンブレンに固定されず、検出できないことがあります。
転写バッファーの組成
- 転写バッファー中のメタノールはタンパク質とSDS の結合力を低下させることでメンブレ
ンへの吸着をよくします。一方ゲルが縮んでポアサイズが小さくなり、ゲルからの溶出が
低下します。ニトロセルロースでは20%、PVDF メンブレンでは15%を目安に加えます。
- 転写バッファーに0.01~0.1%のSDS を加えるとゲルからタンパク質の溶出効率が上昇し
ます。
転写条件(電流)
TE PWR Semi-dry Transfer Unitでの各ゲルサイズにおける推奨電流を下記に示しました。転写装置等のマニュアルを参照し、適した転写条件で行います。
参考になりましたでしょうか。ぜひお試しください。
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