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Life Sciences Day ポスター賞受賞者インタビュー③(2/3)
手法の確立という早いタイミングで発表できたのは貴重な体験になりました

稲森 雅和様

大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻
生物工学コース生物プロセスシステム工学研究室(紀ノ岡研究室)

稲森 雅和 様

ポスターの内容をご説明いただけますか?

プロジェクトでは、網膜色素上皮細胞(RPE細胞)の成熟培養を通して、細胞の成熟度を定量評価する手法の開発に取り組んでいます。今回、RPE細胞の成熟指標として、タイトジャンクションに注目しました。タイトジャンクションの形成は代表的な成熟指標の1つとされているのですが、その評価方法は免疫染色が主で、画像を載せるだけのことがほとんどです。1個1個の細胞の成熟状態を数値化して定量評価することはあまりありません。

今回注目したZO-1というタンパク質はもともと細胞質の中にあり、タイトジャンクションの形成とともに細胞間接着の領域に線状に観察されるようになります。フローサイトメトリー(FCM)による解析では目的タンパク質の有無は分かりますが、空間情報を測らず目的タンパク質に標識した蛍光の強度だけしか測らないので、目的タンパク質がどの領域にあるのかという情報が得られません。今回の取組みでは、IN Cell Analyzerを利用して撮影した画像でZO-1の位置を確認し、さらに、それをいかに数値化するかということがポイントになります。

他の技術と比較してIN Cell Analyzer 2000ならではのデータだと思うところはありますか?

IN Cell Analyzerは普通の顕微鏡と違って、容器ごと全部撮るという発想で作られたシステムです。マルチウェルプレートの全ウェルを撮る場合、フォーカスがウェルごとに違う。容器の端や細胞が盛り上がったところなどはオートフォーカスが合わない。そのような場合は、1ウェルずつプレビューしてベストのフォーカスを選択するというケースもあります。全視野を撮影するためのテクニックはまだまだ色々あるなというのが実感です。

今回の容器は、24ウェルプレートの中にリング状の磁石を沈めて、ウェルの中に直径2.5mmの空間を区切っています。直径2.5mmは網膜色素上皮細胞を移植する上で最低限必要とされる104オーダーに相当します。こうすることで、容器によるメニスカスの影響もなく、フォーカスが合わせやすい。また、ポスター発表の中で小さなウェルでは染色が難しいのではという質問も受けましたが、この方法であれば培養後磁石のリングを外して24ウェルプレートの大きなウェル中で染色ができます。直径2.5mmの空間は10×レンズで9視野もしくは16視野で撮影します。普通の顕微鏡では出来そうで出来ない「広い視野で見る」という点でIN Cell Analyzerがとても役に立っています。

» IN Cell Analyzer 2000の使用において、どのような点で苦労されましたか。

 

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