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Life Sciences Day ポスター賞受賞者インタビュー(3/3)
気軽に質問できて、講演のレベルは高い。思いもよらないアイディアや未着目の視点が得られます。

慶應義塾大学 医学部 生理学教室(岡野研究室)

藤森 康希 様

インタビュー風景

ご自身の研究にはIN Cell Analyzerをどのように活用されていらっしゃいますか

私の研究においては複数の検体を一括に扱いますので、96 well plateを用いた解析が基本となり、IN Cell Analyzerが大きな力を発揮しています。私が生理学教室に来た頃には解析が難しそうというイメージにより、IN Cell Analyzerを使う方は少なかったです。しかし、研究テーマの関係からどうしても使う必要が出てきまして、Cytivaの訪問サポートを受けながらいざ使ってみると「お、これはいい機械だ」と。現在ではラボの中でもユーザーが増えました。

IN Cell Analyzer 6000を使っているのですが、1視野での撮影範囲が広く、スピードが速い、微弱な蛍光も高感度に拾うというメリットがあります。なにより良いと感じているのが、iPS細胞を解析するにあたって、ものすごく細かな解析プロトコルの構築ができるところです。分化誘導系によってはiPS細胞から分化誘導した神経幹細胞をさらに神経細胞へと分化させる時にStemnessが残存してしまい、プレートした後も細胞が増殖してしまうことがあります。そうするとwell全体に細胞が密集してしまうのですが、そういった中でも定量的な解析ができるのは、Developerという解析ソフトウェアでユーザーのニーズに合わせた細かいプロトコルの設定ができるからです。特定の神経細胞をスペシフィックに検出できるというのが、すごく強いなと思います。

iPS細胞においては株間のばらつきも解析を困難にしている要因の為、容易にnを増やすことのできるIN Cell Analyzer 6000でなければ、疾患iPS病態解析のハイスループット化は実現しないといっても過言ではないかもしれません。

ご自身の研究の将来展望をお聞かせください

現状では、すでに報告のある遺伝性疾患iPS細胞をポジティブコントロールとして、表現型の再現をとっている段階です。この「表現型の再現」は様々な疾患を対象とすることで解析の幅を拡げ、評価項目を増やすという意義もあるのですが、システム全体を考えるとまだまだ最初のステップです。次のステップとしては遺伝性疾患で得られた表現型、病態と孤発性疾患との違いを明らかにしたいと思っています。遺伝性疾患をコントロールとした孤発性疾患の表現型による細分化、さらには治療薬創出につなげたいと考えています。ただ、正直に申し上げますと、孤発性疾患をiPS細胞技術を用いて再現し解析できるのかと問われると、「実際にやってみないと分からない」というのが現状での回答になります。疾患iPSを用いて孤発性疾患を検討した例が過去にもあるのですが、病態として再現できているのかはっきりしない状況です。その理由は症例数が少ないからなのか、ストレス因子などで病態が惹起されていないからなのか、iPSの株間でのバラツキが大きいからなのかはわかりません。まずは症例数・クローン数を稼いで、これらの問題を解決していくことが必要であると考えています。そのためにもIN Cell Analyzerと96wellプレートを用いたスピーディーな解析を今後のスタンダードにしていく必要があると感じています。

藤森様、ありがとうございました。

藤森様がご所属されている岡野研究室のHPです。ぜひご覧ください。
≫ 慶應義塾大学 医学部 生理学教室(岡野研究室)

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