共有結合法とBlank Immobilization

共有結合法(アミンカップリング法)は、Sensor Chip CM5などセンサーチップ表面がカルボキシメチルデキストランのマトリックスで覆われているセンサーチップを用いる場合の固定化方法です。センサーチップ表面上のカルボキシル基をEDC/NHSで活性化後、リガンド溶液を添加してリガンド表面のアミノ基(第一級アミン)を介して固定化、その後エタノールアミンを添加することでセンサーチップ表面に残存している活性型エステルをブロッキングして不活性化します。

この共有結合法によるリガンド固定化のMethodをランする際、リファレンスセルでのBlank Immobilizationの実施を選択すると、リファレンスセルにおいても固定化のMethodに従い、NHS/EDC活性化およびエタノールアミンによる不活性化の操作を行います。ただし、リファレンスセルにリガンド溶液は添加されません。リファレンスセルでBlank Immobilizationを実施することにより、アミンカップリングでリガンドを固定化したアクティブセルにより近い環境(カルボキシル基による負電荷) にすることで、主に電荷に起因する非特異的結合を抑えることを期待して行います。

Biacore™ 1シリーズでBlank Immobilizationを設定する

Biacore™ Insight Control Software上のMethodにて、リガンドの固定化を行う際、リファレンスセルについてはBlank Immobilizationを実施するように設定することができます。

例)Sensor Chip CM5を用い、フローセル1をリファレンスセルとしてBlank Immobilizationを実施、フローセル2をアクティブセルとしてリガンドを固定化する場合

  • ImmobilizationのMethodを開き、Chip typeを選択します。(CM5を選択)
  • Use flow cellsにて、リファレンスセルとアクティブセルの双方を選択します。(1,2を選択)
  • LigandタブのFlow pathにて、リガンドを固定化するフローセルを選択します。(2を選択)

上記1~3の操作により、フローセル1はBlank immobilizationを実施する設定となります(赤枠)。

Biacore™ X100でBlank Immobilizationを設定する

Biacore™ X100 Control Software上で、リガンド固定化を行う際、リファレンスセルでBlank Immobilizationを実施するように設定する方法は下記ご参照ください。

例)Sensor Chip CM5を用い、フローセル1をリファレンスセルとしてBlank Immobilizationを実施、フローセル2をアクティブセルとしてリガンドを固定化する場合

  • Wizard TemplateよりImmobilizationのTemplateを選択して開き、Chip typeを選択します(CM5)
  • Flow cell 1にチェックを入れ、Blank immobilizationを選択します。
  • Flow cell 2にチェックを入れ、リガンドの固定化方法を選択します(下図はSpecify contact timeを選択)

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