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自然界に生息している細菌「レジオネラ属菌」を検査し、レジオネラ症の発生状況を調査する必要性は、公衆衛生上の関心事としてますます高まっています。ここでは、水質検査と「ISO 11731」の最新のメンブレンろ過法について紹介します。

世界的な公衆衛生上の懸念事項となっている「レジオネラ属菌」。国際標準化機構(ISO)などの規制機関は最近、レジオネラ属菌発生の予防や調査のためにレジオネラ菌の検出に役立つ推奨検査方法をアップデートしました。

ここでは公衆衛生上の懸念材料として、すなわち、レジオネラ属菌の感染源や感染の広がり方、人体への影響について取り上げます。また、レジオネラ属菌の有無を検査するための「2つの異なるろ過方法」について解説しながら、新しい水質検査プロトコルの概要を説明します。

レジオネラ属菌とは

レジオネラ属菌は、水中に存在するグラム陰性細菌の病原性グループで、代表的なレジオネラ属菌の1種、レジオネラ・ニューモフィラ(L. pneumophila )は、レジオネラ症と呼ばれる重度の肺炎を引き起こします。CDCの推定では、レジオネラ症は米国で毎年5,000人に影響を与えているとされています(国立感染症研究所によると、2007年から2016年まで日本で10,310人診断された)。

高熱や咳、筋肉痛といった症状は、レジオネラ症における深刻な呼吸器感染症に伴う症状の一部です。喫煙者や高齢者、喘息、慢性肺疾患または免疫機能が低下している人には、特に危険で注意が必要です。

レジオネラ属菌の主な発生源は、建物の飲料水であり、病院やホテルなどの大規模な建物が発生源となっています。レジオネラ属菌は水道に侵入して増殖し、水道システム全体へと分布していきます。

人体がレジオネラ属菌にさらされるのは、噴水やミストマシン、加湿器、冷却塔、シャワー、シンクから水滴を吸い込んだり吸入したりする場合です。

レジオネラ属菌:水のサンプル検査

規制当局は、レジオネラ症のさらなる拡大のリスクを減らすために、すべてのケースを徹底的に調査しています。感染源を迅速に特定し、感染した水道システムをできるだけ迅速に処理することが重要です。

水道システム内のレジオネラ属菌の継続的なモニタリングは、公衆衛生上の理由とレジオネラ属菌の管理のためにも不可欠です。モニタリングは、公衆への感染が発生する前に、レジオネラ症のリスクをもたらす環境要因を特定するのに役立ちます。

レジオネラ属菌のモニタリングは、すでに実施されている管理措置を検証し、これらの管理措置が効果的に機能しているのかを検証するのにも役立ちます。

レジオネラ属菌:モニタリング標準法のアップデート

規制当局は、2017年にレジオネラ属菌の推奨水サンプル検査手順を更新しています。ISO 11731:2017では、レジオネラ属菌の分離とその数の推定のための「2つの培養方法」が概説されています。この2つの方法は、レジオネラ属菌のレベルが低~中程度と予想されるほとんどのサンプルに適用可能で、どちらの方法も飲料水や工業用水、廃棄物、天然水を含むあらゆる種類の水サンプルに使用できます。

高濃度のレジオネラ属菌を含む水サンプルの場合、直接プレーティングして培養を行うこともできますし、最初に単純な希釈を行うこともできます。しかし、水サンプル中のレジオネラ属菌を濃縮する必要がある場合がほとんどです。

以下に紹介するレジオネラ属菌モニタリング方法の第一段階では、水サンプル中の細菌を濃縮するために、吸引ろ過または加圧ろ過によるメンブレンろ過を行います。メンブレンろ過によって濃縮された他の細菌の増殖を最小限に抑えるために、水サンプルの一部は加熱および/または酸処理を行います。

これら「2つの方法」の概要と、それぞれの長所と短所を見てみましょう。

方法1. メンブレン上で直接培養する方法

サンプル試料を濃縮した後、メンブレンフィルターを直接培地上に置きレジオネラ菌を培養します。その後、成長したコロニーをメンブレン上で直接カウントします。ISO 11731:2017のガイドラインでは、黒色のメンブレンフィルターは白色のレジオネラ菌のコロニーとのコントラストが良いとされており、この方法に適したメンブレンの選択肢です。

<方法>

  1. レジオネラ属菌を濃縮するために、ニトロセルロースまたはセルロース混合エステルメンブレンフィルターで水サンプルをろ過します。
  2. 滅菌済みの鉗子を使用して、メンブレンフィルターをスタンドから慎重に取り出します。
  3. メンブレンフィルターを培地(例えば、緩衝炭酵母エキス(BCYE)寒天またはグリシンバンコマイシンポリミキシンBシクロヘキサミド(GVPC)寒天上に直接置きます。

この方法は検出限界が低い簡単な方法ですが、検査がスムーズに進むようにするためのちょっとしたヒントがあるので紹介します。

  • 粒子状物質の含有量とその望ましい検出レベルから、適切な量の水をろ過します。
  • トラップされた気泡が残らないように、培地上に正しくメンブレンが置かれているか確認します。
  • コロニーとのコントラストを向上させるために、黒いニトロセルロースメンブレンを使用します。
  • コロニーカウントを簡便にするため、高コントラストグリッドを備えたメンブレンを使用します。

方法2. 培地に播種する前の洗浄・溶出法

濃縮されたサンプル試料が得られたら、メンブレンからレジオネラ属菌を洗浄して溶出させてからプレートへ播種すると、寒天上に均一に細胞が分散され、コロニー数のカウントが簡単になります。

<方法>

  1. レジオネラ属菌を濃縮するために、ポリカーボネートトラックエッチ(PCTE)メンブレンまたはリエーテルスルホン(PES)メンブレンフィルターで水サンプルをろ過します。
  2. 滅菌済みの鉗子でスタンドからメンブレンフィルターを慎重に取り出します。
  3. 滅菌ガラスビーズの有無にかかわらず、スクリューキャップ滅菌容器にメンブレンフィルターを配置します。
  4. 滅菌希釈剤を使用してメンブレンフィルターからレジオネラ属菌を洗浄し、ボルテックスミキサーを使用して激しく振盪するか、容器を超音波水浴に入れます。
  5. 培養用の増殖培地にサンプルを播種します(例: BCYE寒天培地またはGVPC寒天培地)。

方法1. と比較して、方法2. のプロセスは時間がかかり回収率も低くなります。サンプルの溶出をサポートし、播種する細胞の数を最大化するために、洗浄前に滅菌済みのはさみを使用してメンブレンフィルターを断片に切断することもできます。

レジオネラ属菌:検査方法をどう選択するか

検査方法の選択は最終的には個々の研究室の判断になりますが、サンプルの起源や特性に基づいて選択することになります。たとえば、水のバックグラウンドが低いか高いか、非常に高いかなどです。また、望ましい検出下限を考慮する必要もあります。表1では、各手法の利点と欠点をまとめています。

方法 長所 短所
〈方法1〉サンプルを濃縮し、メンブレン上で直接培養
  • 操作が簡単
  • 検出下限
  • 個々のコロニーをカウントするのが難しい(隣接するレジオネラおよび他の微生物の増殖のため)
  • メンブレンが増殖に影響を与える可能性がある
〈方法2〉サンプルを濃縮し、メンブレンから洗浄および溶出し、培地上に播種
  • 個々のコロニーをカウントしやすい
  • 検出下限
  • メンブレン上で直接培養するよりも回収率が低い
  • 時間がかかる

水の検査ワークフローや微生物分析のためのメンブレンろ過技術など、あらゆる面でのサポートをご希望の場合は、Whatman製品テクニカル担当にお問い合わせください。


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