バイオ医薬品製造における原材料およびプロセスリスク管理の過去と現在
長年の間、バイオ医薬品業界は抗体が主流でした。これにより、抗体医薬品の上市を成功させる方法についての知見や専門技術が強化されました。現在、パイプラインは、多くのアンメットメディカル ニーズに挑む革新的で画期的な分子で満たされています。これらの分子の複雑さが増すにつれ、その開発プロセスと、それに伴う固有の課題も増えています。このますます困難なプロセスに内在する脆弱性により、わずかな変化でさえ影響を受けやすくなり、原材料の変動とプロセスリスクの管理という長年の懸案に対する不安が再燃しています。2022 年までに医薬品の売上高上位100 製品の 52% にバイオ医薬品が寄与すると予測されていることから、この業界の成長を考えたときバイオ医薬品のサプライチェーンは目的にかなっているのか、また、私たちを拠りどころにする数百万の患者に供給するために、このサプライチェー ンは今まで通り使用できるのかということを自問しなければなりません。これらの問いに答えるには、原材料供給管理の分野でどれだけ実績があるか、また、安全で有効な医薬品の供給を確保するためには、さらに何を成し遂げることが必要なのかを振り返ることが必要です。
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原材料管理に関する弊社の取り組み

【TOPICS】
- バイオ医薬品製造における原材料およびプロセスリスク管理の過去と現在
- インダストリー4.0:デジタル技術で取り組む生産性および成長の課題
- 原材料の変動性の管理:私たちはここからどこに向かうのか
グローバルファーマの取り組み

【TOPICS】
- バイオジェンはサプライチェーン全体の透明性をプロセス分析テクノロジーにどのように取り入れたか
- アムジェンのデジタル改革:サプライヤーからの原材料データを患者につなげる
原材料(レジン)のリスクアセスメント 1
バイオ医薬品精製におけるQuality by design (QbD)
~工程の変動の原因に対する理解と対処~
バイオ医薬品製造の原理および方法論は、現在、十分に確立されています。しかしながら、分子が多様化するにつれ、バイオ医薬品製造企業に新たな課題をもたらしています。そうした課題の1 つが、工程開発の担当者がいかにして変動の原因をより深く理解し、変動の軽減戦略を設定するか、ということです。
QbD アプローチの適用は、製品および工程を体系的に深く理解することにつながります。これに伴い、科学的に裏付けされた適切なデータが蓄積され、事前相談や申請においても規制当局とのスムーズなコミュニケーションが促進されます。また、製品の品質に影響を与える可能性のある変動の要因を特定、理解し、高い品質保証を実現できれば、管理を上流の工程へ移行することで最終製品の試験の必要性を減らし、リアルタイムリリース試験の導入が可能となるかもしれません。これにより、一貫性のある製品品質を担保するだけでなく、コストの削減にもつながります。
Learn More原材料(レジン)のリスクアセスメント 2
Cost and impact of a bioburden incident
公衆衛生に影響する可能性があるため、規制当局はバイオバーデンコントロールに関して高い基準を設定しています。懸念されることは、プロダクトへの微生物汚染のリスクだけではありません。微生物から排出される毒素およびプロダクトの安全性や効能に影響する可能性があります。患者への重篤な影響を避けなければならないのはもちろんですが、製造バッチが失われることによるコスト的損失もまた重大となります。
バイオバーデンコントロールはバイオ医薬品を製造する製薬会社だけでなく、医薬品原料を供給するサプライヤー双方において重大な課題です。
Learn MoreDigitalization
Emmanuel Ligner(Cytiva, President & CEO)が、フィラデルフィアで開催されたBIO International Convention(June 3 to 6, 2019)にて講演した内容をまとめております。
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