NIHワクチンリサーチセンターによる、Biacore™ X100 を用いた新型コロナウィルスのスパイクタンパク質と細胞膜上のACE2タンパク質との結合親和性を評価した論文がScience誌に掲載されました。

新規コロナウィルス(SARS-CoV2、当時名称2019-nCoV)への迅速な医療対策が求められる中、NIHワクチンリサーチセンターとテキサス大学のグループから論文が発表されました。コロナウィルスに対する、ワクチン、診断・治療用抗体の主要なターゲットとなるCoVスパイク糖タンパク質の構造および機能解析に関する内容です。

コロナウィルスが宿主細胞膜へ融合する際のスパイクタンパク質コンフォメーション変化をクライオ電子顕微鏡で観察したところ、 SARS-CoV1と同様の構造が確認できました。

しかし、これでは感染力の違いが説明できず、Biacore™ X100により、コロナウィルスのスパイクタンパク質と宿主細胞膜のACE2との互作用解析を実施したところ、SARS-CoV1に対して2019-nCoVの結合親和性が10~20倍程度高いことが確認され、これが感染力の強さに起因していると推察されました。

From Wrapp et al., "Cryo-EM structure of the 2019-nCoV spike in the prefusion conformation" Science 13 Mar 2020: Vol. 367, Issue 6483, pp. 1260-1263 DOI: 10.1126/science.abb2507

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